依存症の治療法について

依存症の治療では、変化のステージモデルと呼ばれるステージに合わせて医師が適切なアプローチを選択していくケースが多くあります。変化のステージモデルは5つのステージにわかれており、患者自身が問題をどのように捉えているかで該当するステージが決まります。たとえば、依存症の問題について本人がまったく気づいていないときは、ステージの最初の段階である無関心期に該当する可能性が高いのです。このようなステージに該当するときは、本人に問題に気づいてもらうことが治療の最初のステップになります。

通常、アルコール依存症の治療はお酒を断つところからスタートします。その後、離脱症状や合併症の治療を行い、とくに問題がないようであれば認知行動療法などの精神療法へと進むのが一般的な流れです。アルコール依存症は、うつ病や双極性障害などの精神疾患を合併しているケースが少なくありません。このような人の場合、アルコール依存症を治療することで、精神疾患が悪化してしまうのは避ける必要があります。病院では、必要に応じて薬物療法なども行いながら、心身ともに健康な状態を取り戻せるようにサポートをしていきます。

精神科のクリニックなどで看護に携わるスタッフは、依存症の治療の流れをひと通り把握しておくことが大切です。依存症の治療では、長期的なサポートが求められるでしょう。完治するまでには時間がかかるケースが多いため、依存症に向き合う看護師には忍耐力も必要になります。